eVic-VTC Miniのファームウェア(FW)が3.0になってTCRというモードが追加されました。TCRの小難しい話はさておき、ようはeVic-VTC Mini(FW3.0)の温度管理(TC)モードでプリセットされているNi(ピュアニッケル)、Ti(チタン)、SS316(ステンレス316)の3種類のコイル素材以外の素材でもeVic-VTC Miniのチップが対応する範囲であればTCR値を設定することで温度管理モードで使えますよというものです。
具体的にJoyetechのサイトで挙げられているコイル用の素材は以下の通り。
- Nickel(ピュアニッケル。Ni200)
- NiFe(フェロニッケル。ニッケルと鉄との合金)
- Titanium(チタニウム)
- SS316
- SS317
- SS303
- SS304
この中でプリセットにないものはNiFeとSS303、SS304そしてSS317となっています。勿論、温度管理モードでプリセットされている素材もTCRモードで運用可能で好みに合わせて微調整できます。
eVic-VTC Miniで設定可能なTCR値の有効範囲(Value Range)は1から1000までの値とされており、サイトには各素材ごとのTCR値の有効範囲が表で示されています。
各素材ごとのTCR値の有効範囲には幅があり下から順に試すのも面倒だと思いますので僕が調べてみた基準的な値を参考までに書いておきます。※あくまでeVic-VTC Miniでの話でJoyetechの資料を元に海外のユーザーの意見等を加味したものになります。
- Ni200 → 530
- NeFe(NeFe30) → 330
- チタン → 360
- SS316 → 95
- SS317 → 90
- SS304 →110
上に挙げた数値でまず試してみて好みとズレていれば値を上下に微調整していけば良いと思います。その際、基本的にはJoyetechのサイトに書かれている各素材ごとの値の範囲内にするべきですがNi200だけは最初から範囲を外れて小さな値となっています。心配ならサイトに書かれている下限の600から始めてください。
僕もeVic-VTC Miniのファームウェアを3.0にしてすぐにチタンとNi200をTCRモードで使っています。煮詰めてはおりませんが設定しているチタンコイル用のTCR値は385、Ni200は550で落ち着きました。
まあプリセットされている3種のコイル素材に関しては、プリセットに不満がある場合にTCRモードを試してみてください。使ってみて不満がなければわざわざTCRモードを使う必要はないと思います。凝り性の方は使用するアトマやコイル、VAPEリキッドに合わせてベストなTCR値と温度、ワッテージの組み合わせを見つける愉しみはあるかもしれませんね。
[追記]ワイヤー(金属)ごとの温度係数は決まっているのでドライヒットを止めるだけなら本当は微調整の必要はないのでしょうが、実際にはワイヤーの質が低かったりといったような数値に影響を与えるブレがありますので、お使いの環境によって微調整が必要となってきます。あとはチップの特性(癖)もありますけど。何か上手くいかないという方は取り敢えずは質の良いワイヤーを使って、後はポストにしっかりとワイヤーを固定するとか抵抗値や設定温度・ワッテージを変えてみるとかアトマイザーを変えてみるとか色々試してみてください。